プログラマー回顧録(7)

~ エンデベッドシステム開発経験を回顧する ~

事象、対策、リカバリー全てにおいて想定を超える

通常、問題が発生したときにはどう対処するだろうか?

問題に遭遇したユーザーに対するお詫びの対応がある。

それとは並行してこれ以上ユーザーが機能を使わないよう問題の機能を停止するわけだ。

機能を停止するパターンとしては大きく2つあるだろう。

それは、システム自体を停止するパターン。

それと、システムの問題機能のみを制限し、縮退状態で稼働を続けるパターンである。

現在稼働しているこのシステムも一定のシェアを誇っており、できれば稼働を停めたくはないはずだ。

だがしかし、この事象は縮退では回避できないのである。

そうなると稼働を続けるために残された対策としては1つ。

プログラムを旧バージョンに戻すしかない。

だがこのとき、1度切り替えに成功したプログラムを旧バージョンに戻す仕組みがなかったのである。

(このときの教訓をもとに翌年以降、旧バージョンに戻す仕組みを事前に用意することになった)

ユーザーの投入物を返却できない事象、縮退で回避できないメイン機能の問題、存在しないシステムの復帰手段。

八方ふさがりとはこのことであり、また絶望の淵に立つとはこのことであった。

これは個人的体験談を元にした回顧録です。企業名、人名などは架空の名称です。
毎週日曜日更新。
随時、加筆、修正を行います。

投稿日2022.03.06更新日0000.00.00