プログラマー回顧録(8)

~ エンデベッドシステム開発経験を回顧する ~

ハレーションを食い止めろ!

「まずは稼働を回復させましょう。」

1次請負企業の担当者が現状の動きと今後の方針を話す。

システムは全支店完全停止。

新機能のサービス開始は一端保留となり、まずは旧モジュールで稼働の復帰を目指す。

そうなるとまず自分たちができること。

それは旧モジュールの切り替え媒体を用意することだ。

電車で新宿に向かっている間に指示を受けた後輩が媒体作成にとりかかっていた。

俺は対策本部で新モジュールから旧モジュールに戻すことに対して対処すべき問題点のヒアリングを受ける。

気を付けなければならないのはシステムの誤作動と稼働データの整合性である。

その点について特別な手順は必要なく、切り替えが成功すれば通常に稼働できると回答した。

ほどなくして復旧モジュールが電子メールで送られてきた。

配信担当者たちが一斉に準備を始める。

「配信始めます。」

全支店に一斉に旧モジュールが送信される。

「切り替えます。」

息をのむ。

「ダメです。切り替え異常が発生しました。」

嘘だろ。。。

これは個人的体験談を元にした回顧録です。企業名、人名などは架空の名称です。
毎週日曜日更新。
随時、加筆、修正を行います。

投稿日2022.03.13更新日0000.00.00