~ エンデベッドシステム開発経験を回顧する ~
try and try and …
システムに組み込んだモジュール切り替え機能は優秀だ。
モジュールの妥当性判定、ロールバック機能、トレース機能。
切り替えに必要となる機能は網羅している。
間違いのないモジュールさえ用意すれば安心して切り替えできるのだ。
だがしかし目の前で起こっている現実は切り替え失敗だった。
用意した旧モジュールが妥当ではない、サム値が間違っていると判断されたようだ。
夜勤として出社してすでに12時間が過ぎようとしている。
切り替えモジュールの作成を担当している後輩にも疲労と焦りがあるのだろう。
切り替え失敗の報告を受けた後輩がもう1度、作り直す。
30分ほど経過してまたモジュールが送られてきた。
再度、配信。
そして、切り替える。
「またダメです。」
配信担当者たちもさすがにいらだちがつのる。
「もう失敗はなしにしてくれ。」
こちらもそう願ってはいるのだ。
だが、こちらから誰に電話をしても一向につながらない。
検証室でも切り替えの動作確認はできるのだ。
なぜ切り替えが失敗するモジュールを送ってくるのか?
現場でフォローできないもどかしさを感じながら待つしかなかった。
3回目のモジュールが送られてきた。
失敗だ。
ここでようやく応援が入り、後輩に代わってモジュール作成を熟知した有識者がモジュール作成することになった。
そして、4回目の配信。
「成功しました。」
ついに、ついに旧モジュールで稼働が復帰した。
問題発生の一報を受けてから約7時間後、切り替え前の状態、言えば1年前にリリースしたモジュールで稼働を再開したのである。
これは個人的体験談を元にした回顧録です。企業名、人名などは架空の名称です。
毎週日曜日更新。
随時、加筆、修正を行います。
投稿日 | 2022.03.20 | 更新日 | 2022.03.27 |