プログラマー回顧録(12)

~ エンデベッドシステム開発経験を回顧する ~

システム開発費用でみるインパクト

ここまで我がプログラマー人生最悪の事象発生から1次復旧までを書き連ねてきた。

システム全台稼働停止、リリースモジュールの破棄、中期リカバリーの発生と前代未聞の事態となってしまった。

ここで少し目線を変え、今回の事象に対する費用の話を綴ろうと思う。

あくまでも3次請負企業のプロジェクトリーダーの立場として知り得る自社情報のみの話である。

企業間の免責や補償の取り決め、はたまた1次企業から通しての損失額は把握していないことを断っておく。

【とあるエンデベッドシステム開発】

開発内容:既存システムの改善、新機能追加

(新規機能の要求仕様検討から参画し、基本設計~検証~リリースまでをチーム開発する。)

開発期間:1年

開発工数:8000h(3次請負1社)

開発人数:12人(3次請負1社、ピーク時)

単価:¥5k(3次請負の契約単価)

これが我が3次請負企業の開発規模であった。

ちなみに利益率設定は30%。

つまり工程が理想通りに進めば1200万の利益となるわけである。

そして、開発終了時点の利益率はというと、33%。

まさに順調であったのだ。

トラブルが起きるまでは。

そして、トラブル発生。

リカバリー期間2ヶ月の工数だけ換算しても8人×360h×¥3k。

約860万。

利益の大半が吹き飛んだのだ。

もちろん社員が費用を賄うわけではない。

だがしかし、プロジェクトリーダーとして、プログラマーとして品質、利益の2大目標の達成を粉々に打ち砕かれたわけであり、今となっても忘れられない最悪の事態だったのである。

これは個人的体験談を元にした回顧録です。企業名、人名などは架空の名称です。
毎週日曜日更新。
随時、加筆、修正を行います。

投稿日2022.04.10更新日0000.00.00