プログラマー回顧録(22)

~ エンデベッドシステム開発経験を回顧する ~

総合試験でバグを見つけるには。

結合試験で流出したバグをせき止める最後の砦、総合試験。

総合試験ではどのような試験を行うべきなのだろうか?

基本的に総合試験の試験内容はどのような対応をしようが同じであるはずなのだ。

なぜなら総合試験の検証範囲は機能全体であり、どのような対応を行おうが、新機能の検証(要求仕様確認)と従来通りの機能の検証(デグレード確認)に要約されるからである。

◎要求仕様確認

仕様書をベースに要求仕様が全て満たされていることを確認する試験。

テスターは要求仕様の意図を完全に把握している必要がある。

◎デグレード確認

標準動作を一通り実施し、対応前と後で差異がないことを確認する試験。

基本的には対応前後の出力データの突合をもってデグレードの検知を行う。

さて、それではなぜ総合試験でバグは流出したのだろうか?

今回流出したバグの性質を見るとデグレードだ。

つまりデグレード確認で検知できなかった、ということであり、

デグレード確認のなかで行った標準動作では検証しきれていない機能が存在した、ということであった。

そこで標準動作を見直すことにした。

標準動作を縦軸に、機能を横軸にしたマトリクスを作成し、機能の網羅性を確認したのだ。

すると今までの標準動作では検証できていない機能が浮き彫りになったのである。

そう、それはまさに今回のバグ発生の手順となった動作であった。

こうして見落とした機能の検証を標準動作として組み込み、デグレード試験の質を高めること。

これをもって対策を終えたわけである。

これは個人的体験談を元にした回顧録です。企業名、人名などは架空の名称です。
毎週日曜日更新。
随時、加筆、修正を行います。

投稿日2022.07.17更新日0000.00.00

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